蔓草雑話

あの話、その話、話題は蔓草のようにのびて。

ねじは錆びて。

 

 金土日の大学のスクーリングが終わり、今日は五日振りにお店に立った。

 朝七時前に電車に乗って九時から午後六時まで講義を受ける。

 年齢も、職業もばらばらだけど「生徒」として一緒に調べものをする。

 (「編集研究」の授業なので様々な雑誌をあれこれ調べる。)

 はじめて聞く言葉を一つ一つ辞書をひいて、糧となる先生の言葉を一つ一つ書き残す。

 放課後は先生が話していた本を探しに大きな書店に寄る。

 そんな濃密で、あまりにも短い大学生活。

 頭をフル回転、なにもかも吸収しようとする。

 

 今日のわたしは、売り子。

 見て触って調べるものも、はじめて聞く言葉も、ない。

 蟻の巣みたいな大きなデパートの一角で繰り返す「おそれいります」「さようでございますか」「しつれいいたしました」「おまたせいたしました」「ありがとうございます」

 感動の自然科学も社会科学も人文科学も雨粒となって下水にながれてしまったみたいだ。

 これじゃあただの「部品」じゃあないか。