蔓草雑話

あの話、その話、話題は蔓草のようにのびて。

 

 毎日毎日、そう「なにか」起きる訳ではないけれど、それでもできるだけ毎日書き残そうと思ってる。

 

 今日はこれについて書こう、という明確なテーマが今日は何にもない。

 今日したことと言えば、、、

 十分すぎる睡眠を得、その最中心地よい夢を見(初恋の人がでてきた!)、昼ご飯で胸焼けし、うーうーと苦しむうちに午睡に突入、45分後目覚めて歯磨き、化粧を施し、着替えを済ませ、祖母の観ていた徹子の部屋に加山雄三が出演していて徹子は雄三よりも父の上原謙の話ばかりし、私はバイト先へ向かい、7時間程働き、帰りの電車で立ちながら谷崎潤一郎の『春琴抄』を読み終わり、自転車こいで帰宅、姉と風呂に入り、日付が変わる頃夕飯を軽く済ませ、NHKでメンズトップモデルの仕事ぶりを感心しながら観、デカフェ紅茶を淹れ、パソコンの前でただぼうっとし、今に至る。

 

 

 今日の成果は『春琴抄』を一応読み終えたこと。

 この物語には総てのことが描かれていない。

 端から見れば人生のなかでの重大な出来事がたった一言で片付けられていたりする。

 主人公二人の感心事や何を重要視するかということが、文体にもそのまま表れているようだった。

 

 先日読み終えた山田詠美の『学問』もわざと空白を空けている箇所があった。

 「私、最近とくに、書くことより書かない部分のほうが重要だと思えてきてる。」

 インタビューで著者がそう言っていた。

 「そのあいだにどういう人生があるのかは読者に委ねているんだけれど、本当は一個しかないんですよね、彼らがたどった道って。」

 

 目から鱗だった。

 何をしたという日ではないけれど、目から鱗が出る日はそう毎日あるわけじゃあないはず。

 だから今日という日もいちおう「○」をあげたい。