【金沢旅帖5】自転車は自由にはこんで
金沢には二日間の滞在だった。
電車とバスを乗り継いだ金沢と宿との往復以外はずっと金沢市内を観光した。
結論、市内観光はレンタサイクルを利用するのがベスト。
私は二日目だけ利用した。前日迷いすぎて、足疲れたから。
11時から19時まで利用して1200円。
高いような安いような、やっぱりちょっと高いような。
バスや電車の時刻を気にしなくていいし
「あ、あそこ気になる」と思ったらすぐに向かえるし
迷ってもちゃちゃーっと戻れるから、余計な体力を消耗しないで色んな所をまわることが出来る。
そういう点ではすごーく便利。
デメリットは写真を撮る度にいちいち乗り降りしなくちゃならない点。
そのまえに自転車だと歩いているよりもスピードが早い分、感動的瞬間、決定的瞬間を見逃して通り過ぎやすい。
とはいえ、写真云々よりも自転車こいで感じる春風が至福だった。
前日にSLANTの方に教えていた頂いた面白い場所「新竪町商店街」に行ってみた。
若者向けアパレル系の路面店が並ぶ竪町商店街をずーっと突っ切って、信号一つ渡ると、途端に昭和なアーケード「新竪町商店街」が見える。
古くからある古美術のお店が多い。OZマガジンでKIKIさんが紹介していそうなナチュラル系の雑貨屋もぽつぽつとあった。
金沢は工芸の街。地元の作家さんのものを取り揃えているお店が多かった。
雑貨にわくわくする心を持ちたいが、実はたいして興味がなかったりする。
たまにピーンとくる雑貨もあって、大事に持っておくものもあるけど、それはほんとにごく稀。
あらゆる影響で「雑貨にときめく女子かわいい脳」が知らず知らずのうちに育ってしまったようだ。
今日読んだ本で、「影響を受けることは容易いが、抜けることが難しい」って書いてあった。
この商店街の先は何があるのかしら。
よし、自転車で進んでみよう。
商店街をでて、気分にまかせて右折してみた。
すると橋があった。
桜橋という名で、桜色の塗装がされている。
橋の脇に自転車を停めて、まずは橋を渡る。
下に川が流れている。犀川だ。
そこから眺める景色にほんとうの「わくわく」を体験した。
心の底から悦びがわき上がって、体が勝手に動いてしまう。
そうか、私は風景が大好きなんだなあ。と実感する。
桜橋から。
この旅いちばんのお気に入りの一枚。