【金沢旅帖3】金沢で「東北」を想う
金沢に行こうと思ったきっかけは雑誌ecocolo。
エココロの公式ツイッターで田附勝さんの金沢での写真展の情報がツイートされていたのを見て
「あ、いこう」
と思った。
ecocolo2012年3月号NO.60の「写真家が「東北」で見たもの」という記事の中で、写真家の大森克巳さん、高橋宗正さん、田附勝さんの三人が対談していた。
私はその記事で三人の写真家を初めて知った。
震災後写真家たちが見た「東北」、写真家たちのアクションをほんの少し知ることが出来た。というより、知らされたという感覚だったのかもしれない。
ふしぎな事に、あらゆるドキュメンタリーやニュースで見て来た「東北」そのものよりも、この写真家たちを通して語られる「東北」のほうが私にとっては現実味が帯びていて、生々しかった。
その生々しさは、「東北」に対してではなくて、「東北」以外の日本人がどう「東北」にアプローチしていったのかということに対してなのだと思う。
混乱してる。どう動けばいいのかわからない。どう考えたら正解なのか。
何が出来る?どう撮ればいい?わからない。
わからないなら、わからないでいい、写真家はそれでも撮らなくては。
そんなような意気が伝わって来て、やたらと胸がざわついた。
私は何をしてるんだろう。
この人たちはわからないと困惑しつつも、向かってる。負けてない。
私は最近では知る事さえも拒んでいた、向かってない。負けている。
まずは、知りに行こうと思った。
だったら東北行けよ。と自分でも思うけど、それは、それはまだしたくない。そういう自分もいる。
金沢のSLANTというギャラリーで催された「その血はまだ赤いのか」という写真展は、2006年から東北を撮り続けて来た田附勝さんが震災後初めて行われた鹿猟に同行して撮影した写真が展示されていた。
震災前後を意識したというそれらの写真を観て、やっぱり胸がざわついた。
「その血はまだ赤いのか」というタイトルはいろんな解釈ができると思う。
「おまえに血は通っているのか?おまえの血は赤いのか?」
私は、そんなふうに問いかけられているような気がしてる。
展覧会概要]
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田附勝
その血はまだ赤いのか |
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□会場:SLANT □会期:2012年3月3日(土)~4月26日(木) □時間:11:00 ~ 19:00 □住所:石川県金沢市広坂1-2-32 2F □tel:076-225-7746 入場料:無料 □月曜定休 協力:fairground/株式会社カシマ |
SLANTサイトより。
田附勝さんに関してはこちら。 http://tatsukimasaru.com/
今回の鹿猟の動画もあるようです。http://www.youtube.com/watch?v=rzAGfzYsXwA&feature=player_embedded
映像だと、ふしぎ、写真では感じられなかった「ほのぼの」があるなあ。
ギャラリーの方に「実はこの展示を観ようと埼玉から来たんですー」とお話ししたら、「じゃあなにか良い所教えないとですね!」と仰って親切に金沢案内をしてくださった。
金沢のおもしろい場所、おいしいお店を沢山教えて頂いた。
教えてくださった場所はほとんど行った。普通の観光では味わえない、いいところばかりだった。
帰ってから感謝のメールを送ったら、丁寧にお返事がきた。
旅のすてきな出会いに感謝してる。
金沢21世紀美術館のすぐそば。この建物の二階にSLANTはあります。
次に金沢に行く機会があるとき、まずここへ行こうと決めてる。